その日は連休だということもあり
映画館は混雑していましたが、
距離を縮めないと話す声も届かないので
自然と近づけて得した気分でした。


いざ映画館に移動してどれを観ようと
ポスターを見ながら選んでいる時、
その頃に公開されていたホラー系の
映画のポスターも貼られてあったので
緊張がとけてきた私は彼にちょっとだけ
ジャブをいれてみることに・・・。


「こんな映画も公開されてますね」

「ホラーとかは見たりしますか?」


核心に迫るような質問になりましたが、
私としては一番聞いてみたいことを
スムーズに聞けたなと思いながら
彼の返事を待っていたところ・・・


「ホラーは価値がわからないね」

「観る人とは価値観あわないよ」


若干、困ったようなそれでも爽やかな
けれどなんだか嘲笑っているような、
彼からの言葉に少しゆるんできていた
緊張感が再びきゅっと締まることに。


ホラーの価値がわからない・・・。
観る人とは価値観があわない・・・。


なんとか相づちは打つことができましたが
胸の奥はグサグサときていました。


「本当にホラーは全然だめだな」

「女の子はホラーとか見ないよね」


なんの疑いもない彼からの発言に
条件反射的に頷いて応えたものの、
まったく納得することはできません。


ホラーを受け付けないというのは
その人その人の自由だと思いますが、
そんなに決めつけられて話されては
私のほうこそ価値観があいません。


これはかなりのダメージだなと
曇りそうになる顔色は誤魔化し、
映画は心ここにあらずで決められず
彼が希望したアニメの映画をみることに。


二人で飲み物を買いに行きながらも
好きな人に好きなものを否定されることが
こんなにも鋭く刺さるものなんだなと
思い知らされ気持ちはしおれたものの、
このままではいけない!と切り替え
普段は買わないフローズン的な物を
買ってしまいながら映画を観ました。


ホラーが好きなことなんて隠せばいい。
幾重にも包んでしまいこんで・・・
せめて一緒に居るときは封印だ。


自分に言い聞かせながら観るアニメは
私も知っているアニメのはずなのに
内容がまったく入ってきませんでした。