「僕は本当に結婚したいんだ」


そう単刀直入に切り出したマキさんに
パンケーキを口元に運ぶ手を止め、
ココアで喉を潤して向き直しました。


「今年中にできればいいと思ってる」


「結婚は無理だとしても少しでも
話を前進させたいんだ」


突然といっては申し訳ないのですが
一方的に始まったお話だったので、
目の前に美味しさ間違いなし状態で
スタンバイしているパンケーキが
目に入り気になって仕方なくなり
手を伸ばしたいのを我慢しながら、
マキさんのお話を聞きました。


「いつまでに結婚したいと思ってる?」


「33歳頃までには・・・」


「なにか理由はあるの?」


「いえ、漠然とその頃までにはと・・・」


「付き合いの期間とかは
どのぐらいとりたいの?」


「できれば1年くらいは・・・」


「1年?どうして?お互いなんて
結婚してからでも知れるよ?」


実際はもっと早口で色々なことを
質問されたり聞き返され・・・。
矢継ぎ早に繰り広げられるお話に
応戦するのも必死な状態に。


「婚活サイトも今月中には
退会したいと考えているから・・・」


「そうなんですか・・・」


「まだ出会う活動とかしてる?」


「ログインくらいですよ」


「一緒に退会しようよ」


うーむ。サイトの活動はマキさんと
サワさんのことがあったので、
しばらくログインするだけでしたが
退会するとなると考えてしまいます。


「マキさんは他にも実際に
お会いされたりしましたか?」


「ないよ」


「活動はどのくらいなんですか?」


「2ヶ月くらいかな」


けっこう衝撃的な真実です。
いや、長ければいいという考えは
私にもないにはないのですが、
2ヶ月といえば私とマキさんが
やり取りを開始した少し前くらい。


その期間で実際に面接をして、
まさか結婚の意識をされたとは。


どうして、こんな肝心なことを
今まで聞いてこなかったのかと
思ったりもしたのですが、
男性はそういうものなのかもと
思うことにしようとしましたが・・・。


「婚活での出会いっていうのは
1つのタイミングだよね」

「運良くこういう出会いもあったし
僕はもう結婚してもいいと思った」


という、マキさんからの言葉には
運良く出会えたのかもしれませんが、
運良く出会えた対象が私であるだけで
結婚に至ろうと思ったきっかけは
私ではないと言われた気がして、
なんだかガックリとしてしまい・・・。


心にモヤがかかっていきました。